こんにちは!毛髪診断士の鈴木です。
今回は、美容室(サロン)で行うカラー前処理の重要性ついて、お話ししたいと思います!
●一般的なカラーリング(アルカリ又は弱アルカリカラー剤使用(白髪染めも))の場合
※カラー前処理とは・・・・カラー剤を塗布する前に、髪全体に、きちんとムラなくナノ化CMCやPPTを塗布する工程です。
塗布後、ローラーボール(美容室にある加温機器)で、遠赤外線加温をすると、ナノ化CMCやPPTの浸透、定着効果が高まります!
カラーの前処理がなぜ、必要か?というと、もし前処理をしなかったら、カラー施術は、高アルカリによる膨潤状態に髪が浸されるために、浸透圧の差により髪内部のCMCやケラチン等が溶出され、洗浄時(シャンプー時)に外部に流出してしまうからです。
これは浸透圧が高いものは低い方へと流出し、圧力一定のバランスを保とうとする性質のためです!
CMC等が流出してボイド(ダメージホール)ができた髪はバサつくようになります。
そこで、髪内部の栄養分の溶出を極力避けるために前処理が必要になります!
流出を防ぐには、2つのアプローチ方法があります。
アプローチ①
浸透圧を利用して間充物質の流出を防ぐ
アルカリと水により、毛髪内部のイオン結合や水素結合が切断されて、膨潤が始まります。
髪は、無防備な膨潤状態でアルカリ剤に長くさらされると、内部の間充物質(CMCやケラチン等)が浸透圧の低い外部に容易に溶出されます。
それを防ぐためには(画像ー1)のように、浸透圧を利用し、膨潤状態でも内部の間充物質が流れ出さないように事前に調整する必要があります。
具体的には、内部の流出を防げる濃度のCMCやPPTを髪の表面に前処理し、膨潤状態でも髪表面の浸透圧を高く置き、髪内部の栄養分(間充物質)の流出を抑える処置をします!
(画像ー1)
※浸透圧について、身近なもので説明します※
(画像ー2)
(画像ー2)はおつけものを水と塩水につけたイメージ図です。
おつけものを水洗いすると、中の塩分が抜けて塩味が薄くなってしまいます。
でも、適切な濃度の塩水で洗うと塩分は抜けず、ちょうどいい塩加減になります。
前処理をしていないと、おつけもの(髪)を水洗いした状態になり、中の塩分が抜けた状態(CMCやケラチンが溶出してしまった状態)になります。
これが、浸透圧が高いものは低い方へと流出し、圧力一定のバランスを保とうとする性質です!
前処理をしていると、おつけもの(髪)を適切な濃度の塩水で洗う状態になり、塩分は抜けず、ちょうどいい塩加減になる(髪内部の栄養分(間充物質)の流出を抑えることができる)ということです!