カラー前処理の重要性!2つ目のアプローチ法を毛髪診断士解説!

こんにちは!毛髪診断士の鈴木です。

今回は、前回ブログに引き続き、美容室(サロン)で行うカラー前処理の重要性ついて、お話ししたいと思います!

前回、カラーの前処理で、髪内部の栄養分の流出を防ぐには、2つのアプローチ方法があると、お話ししましたが(前回ブログで1つ目のアプローチ方法をお話ししましたので)

今回は2つ目のアプローチ方法をお話ししたいと思います。

カラーの前処理1つ目のアプローチ方法はコチラ

アプローチ②

キューティクルを過剰に立ち上がらせない

ダメージによりCMCが減少し、接着能力が低下したキューティクルは、アルカリ剤(アルカリ水)の吸収によりエンドキューティクルが過剰に膨潤し、キューティクルが元に戻れないぐらいに壊れてしまいます。

CMCについて詳しくはコチラ

この異常なキューティクルの立ち上がりはカラー施術後の毛先のザラつきにも影響します!

予防策として、ダメージによりアルカリ剤(アルカリ水)を異常に吸収するエンドキューティクルを元の状態に戻すために、疎水型PPTを前処理で吸着させて保護しておいてから、カラー剤を塗布するようにします。

疎水型PPTについて詳しくはコチラ

そうすることで、カラー剤に含まれるアルカリの影響を最小限に抑え、ウエット時のキューティクルと同等くらいの【膨潤:小】に留めることが出来、カラー施術後にキューティクルを元の状態に戻すことが出来ます。

この場合、吸湿性の低分子PPTは予防効果がなく、逆にエンドキューティクルに低分子PPTを吸着させておくと、アルカリ剤(アルカリ水)の吸収が増加して、キューティクル剥離を助長してしまいます。

(図-1)

(図―1)のように、キューティクルは三層構造になっています。上から①エピキューティクル②エキソキューティクル③エンドキューティクルです。

①エピキューティクル

一番外側にある半透明の薄いキューティクルです。疎水性で、アルカリ(カラー剤やパーマ剤)などの薬剤に対して強い性質を持っています。

シスチン含量が低いケラチンで、水をはじくラップのようなものです。

②エキソキューティクル

中間にあるキューティクルです。アルカリ(カラー剤やパーマ剤)などの薬剤に対して弱い性質を有し、シスチンを多く含みます。水を少し吸う天然ゴムのようなものです。

③エンドキューティクル

一番内側にあるキューティクルです。親水性で、アルカリ(カラー剤やパーマ剤)などの薬剤に対して、弱い性質を持っています。シスチン含量は低く、水をよく吸う、吸水シートのようなものです。

(図―1)のように、エンドキューティクルが水を吸い膨らむことで、キューティクルが立ち上がります。(図ー1(上)ドライ時のキューティクル、(下)ウエット時のキューティクル)

 

(図―2)

(図―2)はドライ時、ウエット時、カラー塗布時(前処理なし)、カラー塗布時(前処理あり)のキューティクルの立ち上がり(膨潤度)です。

上段(左)水を離した状態(ドライ時のキューティクル【膨潤:なし】)

上段(中)水を吸った状態(ウエット時のキューティクル【膨潤:小】)

上段(右)アルカリや還元剤(パーマ剤)により過度に立ち上がった状態(前処理をしないでカラー剤を塗布したキューティクル【膨潤:大】)

下段(左)疎水型PPTで前処理を行ったキューティクルの状態【膨潤:小】

下段(右)前処理を行ってから、カラー剤を塗布したキューティクルの状態【膨潤:小】です。

つまり、疎水型PPTで前処理を行ってからカラー剤を塗布することによって、カラー剤に含まれるアルカリの影響を最小限に抑え、ウエット時のキューティクルと同等くらいの【膨潤:小】に留めることが出来、カラー施術後に、キューティクルを元の状態に戻すことが出来ます。

上記の理由からも、カラーの前処理はとても重要になります!

カラーの中間処理について詳しくはコチラ

カラーの乳化について詳しくはコチラ

カラーの後処理について詳しくはコチラ